私のレッスンの品数が少ないわけ

この話、なんだかすごく長くなってしまったのでまずは言いたいことを先に置いておきます。あとはお時間のある方お付き合いください。

まとめ! はじまり ←でも結局まとめも長いよ!

私のインド料理教室では、失敗しないためのポイント、おいしく作るためのポイント、私の知っていること全て隠さずお伝えしたいと思っているので、現在の私のコミュニケーションの能力では1回に多くのメニューのレッスンができません。

だから、私のレッスンは「料理全般の知識はあるし1回流れを見ればわかるから、細かいことはいいのでザッと作り方の流れを知りたいんです。1回に品数多く習いたいです。」というご要望をお持ちの皆様には向かないと思います。

まとめ! 終わり

ハリオム

会場をレストランの厨房にして、インド料理教室のレッスンを始めたのが2007年。ずいぶん長くやっているような気がしますが、まだ5年しかたっていないのですね。

1998年にレストランを開店してから2006年までは、カルチャースクールの講師をお引き受けしたり、サークル、グループ、団体、企業の皆様のイベントにインド料理教室講師としてお声をかけていただいておりました。

インド料理教室講師キャリアは、ラニ開店以前に勤務していた某インド料理店の経営者からの業務命令で(笑)、某カルチャースクールの講師から始まりました。

このブログをご覧いただいている皆様の中で、当時のレッスンを受けてくださった方がいたら、こんなことを言うのは大変申し訳けないですが、ぶっちゃけ当時の自分の本心としては

「ハッキリ言ってそんな仕事絶対やりたくない。やってもやらなくても給料一緒だし。」

「なぜ苦労して身に着けたインド料理の知識を人にたやすく教えなきゃいけないわけ? 本当のことは絶対に教えないよ。」

という頑なな気持ちでやってました。本当にごめんなさい。(笑)

その後、自分のお店を開店してからも、引き続き同じカルチャースクールより講師のオファーをいただきレッスンを継続しておりました。

人間勝手なもので立場が変わると意見も変わります。自分のお店を持つようになったら経営の大変さとか、身にしみるわけですよね。

インド料理教室はお店を広報する機会と考えて、まじめにやりました。いや、誤解のないように申し上げますと、レストラン勤務時代も講師業はまじめにやってましたよ。仕事だから。

でも自分で希望してやっていたわけじゃなかった。しかし、自分のお店を開店してからは「やらされてる」のではなくて「自分ですすんでやってる」という状態に変わったんです。

これって自分の中では全然意味が変わってきますよね。

しばらくしてお世話になっていたカルチャースクールが残念ながら閉校することになりました。

そこで他のカルチャースクールのお仕事や、サークル、グループ、団体、企業の皆様のイベントなどの講師をお引き受けするようになりました。

この期間に、いろいろな意味で講師としての経験値を上げさせていただいた。と申しますか、今になって考えるとこの時期はいろいろな意味で講師としては未熟でした。がんばってたけどね。

未熟だったと過去形にいたしましたが、実際は今でもまだまだ未熟です。人生日々勉強ですよね。

おいしいものを作れるという技能と、その方法を人に伝える技能というのは全く違うものだと思います。

野球やサッカーのうまいプレイヤーが、必ずしもコーチとして優秀かといえばそうでもないのと一緒かと。

やっぱりいいコーチになるには、コーチとしての練習も必要だよね。いろいろなお仕事をさせていただく中で、御蔭さまで私もたくさん勉強させていただきました。


決定的に自分の中での考えが変わってきたのは2007年以降。自分のフィールドであるレストランの厨房でレッスンを開催するようになってからだと思います。

そもそもかつては「企業秘密の宝庫である厨房に人を入れるなんてとんでもない!」という考えの人でしたから、人間変わるものですよね〜。

私は料理人としてはそれなりのキャリアのあるプロですが、講師としてはまだまだです。他のお教室には行ったことないですし、他のお教室でどういうレッスンをしているのか全く知らないのです。いろいろなやり方があると思うけど、私は以下のような考え方で運営しております。


ウチのお店のインド料理教室。インド料理教室に限らず、いろいろな料理教室がありますけど、ハッキリ言ってレッスンの品数少ないと思うんですよ。

毎回の構成はメインのカレー+副菜1品、たまにサブのメニューが2品の時がある。ほとんどのレッスンがメインとサブの2つのメニューしか作らないです。

なぜかというと、ちゃんと全部教えたいから。今は昔と違って「本当のことは教えない」とか全然思ってないです。むしろ「一切もったいぶることなく自分の知ってる全部をみなさんにお伝えしたい。」と思ってる。

毎回みなさんにお持ち帰りいただくレシピに書いてあることはもちろん、それ以外にも、いろいろなポイントがあるんですよね。こういう状態になったら、次の過程に移るとか。そういうのをキッチリ説明していこうと思うと、たくさんのメニューをこなすことができないんです。

キッチリ時間管理してスピードアップすれば、もっと品数を増やすこともできると思うのですが、全部説明したいと思うとどうしても今の私の実力だと時間がかかっちゃうのね。みなさんのご質問にもできるだけ詳細にお答えしたいと思うし。

もっとちゃっちゃとできちゃう先生も多いと思うのですが、私は時間に追われてあせって進行するのがイヤって言うのもあって今のスタイルに落ち着いてます。

みなさんが家に帰ってから、レッスンでご紹介したものにできるだけ近いものが作れるようになってもらうのが理想。

だから、私のレッスンは「料理全般の知識はあるし1回流れを見ればわかるから、細かいことはいいのでザッと作り方の流れを知りたいんです。1回に品数多く習いたいです。」という皆様のニーズにはお応えできないかもしれません。

でも本当は、ある程度料理全般を知っててインド料理を何度も作っているようなエキスパートな方にこそ、いろんな細かいことは実は参考になるような気もします。


かつては
「本当のことは絶対に教えないよ。」
と思ってたけど

今は
「みなさんに全部伝えたい。」
という気持ちでやっているということです。

これ、私の心の中だけの話なので証拠もなにもお見せできませんが、今の自分の正直な気持ちです。ってこんな長い話にしなくても最後のところだけでよかったじゃんね。


2011.08.06 追加

twitterでいただいた@
「何かキッカケになる具体的な出来事があったのですか?」

そうなんですよね。このエントリー作っているときにも自分なりにいろいろ考えていたのですよ。なぜ「全部伝えたい」に気持ちが変わったのか。特に自分の考えが180度かわるような目うろこな「事件」があったわけではないんです。

インド料理教室のレッスンは、レストランでお食事していただくのとは全然違って、お客様の反応がダイレクトに伝わってきます。そんな中で次第に自分の心が、みなさんが喜んでくれるのが一番うれしいと感じるようになったからかな。

「すごくおいしくできた!」って教えてもらうと、こうするともっとうまくできますよって自然と言いたくなりますよね。


それと、、、ここまで正直になることはないような気もしますが、ぶっちゃけ

実際全部教えちゃったら、家でもおいしいインドカレーができちゃってお客さん減っちゃうw

とか

プロの方が受講されて自分のお店で出されたりしたらちょっとイヤかな。

と思ったりしていたのですが

何度も講師としてレッスンを経験する間に、そういったことを憂慮する必要はないとわかったから。そう感じたことも理由の一つです。

おかげさまでレッスンも100回を超えました。これからも皆さまのリクエストがある限り続けていきたいと思っています。


最後に全部教えると言ったけどまだひとつだけ企業秘密にしていることがある。

これもそのうち言ってもいいかなに変わるかもしれないが、いまのところやっぱり教えられないと思っている。

それは当店オリジナルのガラムマサラに何が入っているか。これだけは企業秘密なので勘弁してほしいなと思っている。
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コメント
以前にナンのレシピを参考にして以来このブログを楽しみにしています。お教室が遠いので迷っていました、が
今日のまとめを読んでいつか絶対にお教室に行こうと思いましたよ!
心意気に感動です。
  • サリー
  • 2011/08/05 4:26 PM
コメントありがとうございます。ご来店お待ちしております
  • ハリオム
  • 2011/08/06 12:02 AM
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